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past-exam1a:economics

経済原論

wikiの表示の都合上、上付き文字は「^」、下付き文字は「_」で表すこととする。


平成27年度

次のⅠ~Ⅳの全てに答えなさい。

Ⅰ 国民経済計算についての以下の問に答えなさい。
(1)次の文書の空欄a~jに入る適切な語句を記入しなさい。(解答例:K-国民経済計算)
 GDPとは、 a の略であり、ある経済的領土(国)内で一定期間に生み出された b の合計である。これは、フロー、ストックの概念のうち、 c にあたる。GDPの支出項目には、例えば、 d や e がある。三面等価の原則よれば、GSPの支出項目は f 項目とも、 g 項目とも等しい。また、この原則を使うと、家計、企業及び政府による貯蓄投資差額(貯蓄から投資を引いたもの)は、 h に等しいことが分かる。GDPに、海外からの要素所得の取得を足し、海外への支払いを差し引いたものは、 i とよばれる。名目GDPを実質GDPで割ったものは、 j とよばれる。
(2)下のグラフは(グラフ略)、我が国における貯蓄投資差額の推移を示したものである。最近4年間、2010年をピークにして貯蓄投資差額(民間+一般政府)のプラス幅が縮小していることの含意とその背景を説明しなさい。
(3)同じグラフにおいて、1998年度及び2008~09年度の急激な変化の背景を、それぞれ説明しなさい。

平成26年度

次のⅠ~Ⅳの全てに答えなさい。

Ⅰ次のような経済モデルを考える。
 Y(t)=C(t)+S(t)  Y(t)=C(t)+I(t)  K'(t)=Y(t)-C(t)-δK(t)  S(t)=sY(t)  L'(t)=nL(t)  ここで、tは時間、Yは国民所得、Cは消費、Sは貯蓄、Iは投資、Kは資本、Lは労働を表す。また、δ、s及びnは所与の定数で、それぞれ0<δ<1、0<s<1、0<nを満たす。変数の上についてるドット記号は(※wikiの表記上'で代替)、sの変数の時間に関する微分を表す。
 このとき、以下の問いに答えなさい。ただし、計算の過程も示すこと。
(1)生産関数が以下のように与えられている。
 
 この生産関数が1次同次であることを示しなさい。ただし、γ、A_K、A_L、σは所与の定数で、γ>0、A_K>0、A_L>0、σ>0を満たす。
(2)労働者一人あたりの資本量 k(t)(≡K(t)/L(t)) の成長率 k'(t)/k(t) を表す方程式を求めなさい。
(3)σ>1と仮定する。 のとき、この経済が 0<K<∞ の領域で k'(t)/k(t)=0となるような均衡をもち、その均衡が大域的安定性をもつことを示しなさい。適宜図を使っても良い。
(4)σ>1と仮定する。 のとき、この経済が長期的にk=0となるような定常状態に到達することを示しなさい。適宜図を使っても良い。また、その経済学的含意を3行以内で答えなさい。

Ⅱ 2期間のみ続く経済で、代表的個人モデルを考える。
代表的個人の効用関数は、  U=lnC_1+βlnC_2 , β>0 と表され、効用最大化行動を行っている。ただし、C_1、C_2はそれぞれ第1期、第2期の消費、lnC_i(i=1,2)は、C_iの自然対数である。国内には貯蓄手段はないが、利子率r(>0)で自由に海外との試算の取引ができる。この代表的個人は、初期資産を保有せず、生産活動も行っていないが、第1期にY_1、第2期にY_2だけの所得が与えられる。
 このとき、以下の問いに答えなさい。ただし、計算の過程も示すこと。
(1)第1期の消費C_1及び第2期の消費C_2を、Y_1、Y_2、r及びβで表しなさい。
(2)第1期に正の対外資産を貯蓄する条件を、Y_1、Y_2、r及びβで表しなさい。
(3)(1)で求めた各期の消費を利用して生涯効用を求め、利子率rが上昇したときに生涯効用が高まる条件が、(2)で求めた条件と等しいことを示しなさい。また、その経済的含意を2行以内で答えなさい。
(4)いま政府が、第1期にT_1、第2期にT_2の一括税を徴収しているとする。税収は、例えば、海外援助などに使われ、国内経済に還元されないものとする。T_1及びT_2の増加が第1期の対外資産へ与える影響について、「消費平準化(consumption smoothing)」という言葉を用いて説明しなさい。

Ⅲ 次のような公共財の自発的支払メカニズムを考える。
 家計i(=1,2)は、初めにw_i(>0)単位の私的財を持ち、予算成約 x_i+cg_i=w_i と公共財の総供給量 G=g_i+G_j(i,j=1,2, i≠j) の下で、他の家計jによる公共財の総供給量 g_j(≧0) を所与として、効用関数 u_i=x_i+a_ilnG(0>a_1>a_2) を最大化するように、自分による公共財の供給量 g_i(≧0) と私的財の消費量x_iを選ぶ。ここで、lnGはGの自然対数を表す。また、w_i、C(>0)、a_iは定数と仮定する。
 このとき、以下の問いに答えなさい。ただし、計算の過程も示すこと。
(1)家計iによる公共財の供給量に関する反応関数 g_i=r_i(G_i) を導きなさい。ただし、ここではg_i>0を仮定してよい。
(2)実際には、非負制約家計g_j(≧0) を考慮しなければならないので、(1)の反応関数は、より正確には、g_i=R_i(g_i)=max{r_i(g_j),0} のように表される。ここで、max{r_i(g_j),0} は r_i(g_j) と0のうち、最も大きな値を表す。ナッシュ均衡における各家計による公共財の供給量 g_1^N、g_2^N と公共財の総供給量G^Nを求めなさい。
(3)社会計画社の立場に立ち、効用の総和 u_1+u_2 を最大化する公共財の総供給量G^Eを求めなさい。
(4)次のようなリンダールメカニズムを考える。
 政府は、各家計の予算制約を x_i+p_iG=w_i に変えさせた上で、各家計に特殊な公共財の「価格」p_iを所与として公共財の需要量Gを表明させる。政府は、各家計の公共財への需要関数と政府自身の予算制約 cG=p_1G+p_2G の下で、G、p_1 及び p_2 を決める。  このとき、リンダール均衡における G^L、p_1^L 及び p_2^L を求めなさい。
(5)G^N、G^E、G^L の大小関係を不等号または統合で比較し、(1)、(2)における自発的支払いメカニズムを(4)におけるリンダール・メカニズムそれぞれにおける公共財の供給量の効率性の観点から評価しなさい。ただし、「最適」、「過小」または「過大」のいずれかの言葉を用いること。

Ⅳ 次のような寡占モデルを考える。
 企業i(=1,2,…,N)は、費用関数C(y_i)=2y_i+1 と逆需要関数 の下で、他の企業jの供給量y_jを所与として、利潤 π=p(Y)y_i-C(y_i) を最大化するように、自分の供給量 y_i を選ぶ。
 このとき、以下の問いに答えなさい。ただし、計算の過程も示すこと。
(1)クールノー均衡における y_i を、企業数Nだけの関数 y_i(N) として表しなさい。
(2)クールノー均衡におけるY、P及びπを、それぞれ企業数Nだけの関数Y(N)、p(N) 及び π_i(N) として表しなさい。
(3)各企業がクールノー競争を行う前に、自由参入(退出)が行われる段階を考える。自由参入均衡における企業数N*を求めなさい。
(4)総余剰 のように表されることを証明しなさい。
(5)W(N)を最大化する企業数 N^E を求め、(3)の自由参入均衡におけるN*を効率化の観点から評価しなさい。ただし、「最適」、「過小」又は「過大」のいずれかの言葉を用いること。


平成25年度

次のⅠ~Ⅳのすべてに答えなさい。

Ⅰ 経済が以下の方程式で記述できているとする。
y(t)=y ̅+θ(π(t)-π^e)  インフレ供給曲線
y(t)=y ̅+k(μ-π(t))  インフレ需要曲線
ここで、y ̅は自然失業率水準の国民所得(対数表示)、y(t)はt期の国民所得(対数表示)、π(t)は、t-1期からt期のインフレ率、μは名目貨幣供給量の成長率、π^eはt-1期におけるt期のインフレ率の予想地である。また、θ,kは正のパラメーターである。
このとき、以下の問いに答えなさい。ただし、計算の過程も示すこと。

(1)「自然失業率」、「合理的期待」、「適応的期待」とはどのような概念か、それぞれ、1行から2行程度で説明しなさい。

(2)中央銀行が名目貨幣供給の成長率μ_0に固定しているとする。現実の国民所得が自然失業率水準の国民所得と等しいという意味で長期均衡にあるとき、この経済のインフレ率を求めなさい。

(3)経済主体が合理的期待形成仮説に基づき期待を形成しており、中央銀行は名目貨幣供給率の成長率を来期からμ_0からμ_1に上昇させるとアナウンスしたとする。このとき、来期の国民所得水準及びインフレ率はどうなるか、理由も含めて答えなさい。

(4)経済主体は来期のインフレ率の予想値を今期のインフレ率に等しくする。経済が名目貨幣供給の成長率μ_0の下での長期均衡にいたが、中央銀行が名目貨幣供給率の成長率を来期からμ_1に上昇させるとアナウンスしたとする。このときの来期のインフレ率を求め、現在のインフレ率よりも高いことを示しなさい。

(5)政策変更をアナウンスした期をs期とし、(4)の想定の下でのs+n期(ただし、n≧0)のインフレ率をμ_0、μ_1、θ、kによって示し、長期均衡のインフレ率を求めなさい。


Ⅱ 代表的企業と2期間生存する家計からなる世代重複モデルを考える。家計は自らの消費のみならず子供の数も意思決定する。子供の養育には1人当たり材で測ってmだけの育児費用がかかるが、子供の数から満足度を得る。また、政府が存在し、政府は育児手当として子供1人当たり材で測ってφだけの補助を行っており、その財源は所得税で徴収している。(ただし、m-φ>0)  具体的には、t期に生まれた家計の効用関数は、
αlnc_t^y+βlnc_(t+1)^0+(1-α-β)lnn_t
と表される。ここで、c_t^yはt期に生まれた家計の若年期の消費、c_(t+1)^0はt期に生まれた家計の老年期の消費、n_tはt期に生まれた家計が生んだ子供の数、αとβは効果の重みを表すパラメーターで0<α、β<1を満たす。この家計の各期の予算制約式はs_tを貯蓄とすると
 s_t=w_t (1-τ)-c_t^y-(m-φ)n_t
c_(t+1)^0 (1+r)s_t 
と表される。ただし、w_tは労働所得、rは利子率、τは労働所得税である。
 このとき、以下の問いに答えなさい。

(1)この家計の効用最大化問題を解き、若年期の消費と子供の数を労働所得及び各種パラメーターの関数として表しなさい。

(2)政府は均衡予算を保ち、育児手当政策をしているとする。したがって、政府予算制約式は
τw_t = φn_t
である。このことを考慮して、労働所得と子供の数及び労働所得と貯蓄の関係を求めなさい。

(3)資本は1期で完全に償却すると考える。K_t+1をt+1期の総資本、S_tをt期の総貯蓄とすると、経済全体の資本の貯蓄動学方程式は K_t+1 = S_t となる。
 各期の労働者1人当たり資本(t期の労働者1人当たりの資本 k_t = K_t/N_t、ただし N_tはt期の労働力人口)が常に一定になることを示しなさい。
 なお、n_tはt期とt+1期の人口比率と解釈できる。

(4)いま生産量は資本量のA倍で実現し(つまり経済全体の生産量はAK)、労働所得にはχの割合(ただし、0<χ<1)だけ配分されているとする。このとき、育児手当の増額(φの上昇)が出生率n_tを増やすかどうか確認しなさい。


Ⅲ 次のような3国部分均衡モデルを考える。
 A国とB国には、それぞれ同質的な財を生産する企業Aと企業Bの1社ずつある。両国には国内需要がないので、両企業は生産した財をC国に輸出する。一方、C国には国内供給がないので、企業Aと企業Bから輸入した財を消費するだけである。
 自由貿易の下で、企業AはC国の逆需要関数 p = 16 – y_A – y_B の下で利潤 π_A = py_A – 4y_Aを最大化するように供給量 y_A を選ぶ。ここで、右辺第2項の数字4は一定の限界費用を表す。同様に、企業Bは上記の逆需要関数の下で利潤 π_B = py_B – 4y_B を最大化するように供給量 y_B を選ぶ。
 このとき、以下の問いに答えなさい。

(1)企業Aと企業Bがお互いに相手の供給量を所与として自分の供給量を同時に決めるクールノー競争の状況を考える。クールノー均衡におけるy_A、y_Bを求めなさい。

(2)はじめに企業Aが供給量を決め、次にそれを見た企業Bが自分の供給量を決めるシュタッケルベルク競争の状況を考える。シュタッケルベルク均衡におけるy_A、y_Bを求めなさい。

(3)以下では、初めにA国の政府が企業Aに供給量1単位当たりsだけの輸出補助金を与え、次にそれを見た企業Aと企業Bがクールノー競争を行う状況を考える。このとき、企業Aの利潤は π_A = py_A – (4 – s)y_A に変わる。クールノー均衡における y_A、y_B を、sだけの関数として表しなさい。

(4)輸出補助金の下で、A国の厚生は企業Aの利潤から補助金額を除いた w_A = π_A – sy_A のように表される。クールノー均衡におけるw_Aを、sだけの関数として表しなさい。

(5)クールノー均衡におけるw_Aを最大化するsを求め、それに対応するy_A、y_Bを(2)の結果と比較しなさい。


Ⅳ 次のような一般均衡モデルを考える。家計は1単位の時間を持ち、予算制約 wl + pc = w + π の下で賃金(余暇の価値)w、財の価格p、利潤πを所与として効用関数 u = l^1/2 c^1/2を最大化するように余暇の需要量l、財の需要量cを選ぶ。
このとき、余暇を除いた残り時間 1 - l は労働の供給量になる。
 企業は、生産関数 y = n^1/2 の下でp、wを所与として利潤 π = py – wn を最大化するように財の供給量y、労働の需要量nを選ぶ。
 労働市場と財市場の均衡条件はそれぞれ n = 1 – l 、c = y のように表される。
 このとき、以下の問いに答えなさい。

(1)一般均衡モデルにおいて、全ての市場における超過需要額の合計が、各市場が均衡しているか否かにか関わらず常にゼロとなることを、ワルラスの法則と呼ぶ。上記の一般均衡モデルにおいて、ワルラスの法則を証明しなさい。

(2)余暇と財の需要関数を、w、p、πだけの関数として表しなさい。

(3)労働の需要関数、財の供給関数、最大化された利潤関数を、p、wだけの関数として表しなさい。

(4)労働と財の需要関数と供給関数が全てp、wについてゼロ次同次なので、財の価格を1に基準化し(p = 1)、賃金は財の単位で測ることにする。w = 1 のとき、労働市場では超過需要あるいは超過供給(失業)のいずれが起こっているか調べなさい。

(5)労働市場の均衡におけるwを求め、(4)における w = 1 と比較しなさい。


平成24年度

次のI~Ⅳのすべてに答えなさい。

I  次のような経済成長モデルを考える。
Y(t)=F(K(t),L (t))=A(t)〖K(t)〗^α 〖L(t)〗^(1-α)
Y(t)=C(t)+I(t)
Y(t)=C(t)+S(t)
K ̇(t)= Y(t)-C(t)-δK(t)
S(t)=sY(t)
L ̇(t)=nL(t)
A ̇(t)=gA(t)
ここで、t(0≦t≦∞)は時間、Y,F,A,K,L,C,I,Sはそれぞれ国民所得、集計的生産関数、技術水準、資本、労働、消費、投資、貯蓄を表す。 α(0<α<1),δ(0<δ<1),s(0<s<1),n(>0),g(>0)は所与の定数である。変数の上についているドット記号は、その変数の時間に関する微分を示す。
以上のことを踏まえ、以下の間いに答えなさい。ただし、計算過程も示しなさい。

(1)k ̃(t)=(K(t))/(〖A(t)〗^(1/(1-α)) L(t))として、k ̃(t)の動学方程式を求めなさい。

(2)k ̃(t)が時間を通じて一定となり変わらない状態を、定常状態と定義しk*として表す。k*が満たすべき条件を求めなさい。

(3)(1)で求めた動学方程式を図示し、どのような資本ストック水準から経済が始まっても定常状態に到達することを示しなさい。

(4)sの値が上昇すると、k*はどのように変化するか図を用いて述べなさい。

(5)国民所得Y及び一人当たり国民所得Y/Lの定常状態における成長率を求めなさい。

Ⅱ インフレ供給関数が次のように与えられたとする。
y=y^n+α(π 一π^e) … ①
yは生産量、y^nは自然率生産量、πはインフレ率、π^eは期待インフレ率である。
α(>0)は所与の定数である。インフレ率と金融政策当局の政策変数zとには、
π=z+v … ②
という関係がある。ただし、vは平均ゼロであり、分散σ^2の確率変数である。
λ(>0)は所与の定数であり、π*(>0)は目標インフレ率である。金融政策当局は次の関数で表される効用Uを最大化しようとしている。
U=λ(y-y^n )-1/2 〖(π-π^*)〗^2 … ③
国民は金融政策当局の損失関数や政策について知っており、合理的期待を形成している。このとき、以下の問いに答えなさい。

(1)(ア) 金融政策当局が政策変数であるインフレ率をまず決定し、そのインフレ率にコミットできるとする。このときの金融政策当局が決定する金融政策の水準と期待生産水準を求めなさい。
(イ) 均衡で得られる金融政策当局の期待効用を求めなさい。

(2)(ア) 国民の期待インフレ形成と金融政策当局の政策決定の順序が、
(i) 国民が期待インフレ率π^eを決定する。 (ⅱ) 金融政策当局が期待効用を最大化するように政策変数zを決定する。
となっているとき、金融政策当局が決定する金融政策の水準と期待生産量の水準を求めなさい。
(イ)均衡で得られる金融政策当局の期待効用を求めなさい。

(3) 上記Ⅱの(1)で得られた期待効用と(2)で得られた期待効用が等しくなるのはどのようなときか、経済学的なインプリケーションも含めて答えなさい。

Ⅲ ある企業の生産関数が次のように表される。
f(x_1 x_2 )=〖(ax_1 x_2)〗^(1/2) ここで、x_l,x_2はそれぞれ第1生産要素と第2生産要素の投入量を表し、a,bは正の値をとる定数である。この企業は競争的な市場から価格w_1及びw_2で二つの生産要素をそれぞれ調達し、少なくとも一定のある生産水準y(y>0)を生産することが求められている。このとき、Kuhn-Tucker条件を使って、最少費用で目標生産量を実現する生産計画を求めなさい。

Ⅳ あなたが地域独占を実現しているパンとコーヒーの庖を経営しているものとする。単純化のため、あなたの庖の顧客はパンとコーヒーに対する最大支払意思額によって以下の4つのタイプ(A、B、C、D) に分類され、それぞれ同数いると仮定する。パン1個とコーヒー1杯の製造・販売に要する費用はそれぞれ70円と40円で一定とする。すべての顧客は、1日1回だけ来店し、パンのみ、コーヒーのみ、あるいは両方を最大1単位購入すると仮定する。このとき、店の利潤を最大化する価格の組を、以下の(1)~(3)の3つの場合について、それぞれ理由を付して求めなさい。ただし、価格は1円単位で設定でき、各タイプの顧客は支払意思額と価格の差がO円以上であれば、その商品を1単位購入するものとする。

【顧客のタイプ】

パンに対するコーヒーに対する支払意思額コーヒーに対する支払意思額
タイプA 40円 160円
タイプB 90円 110円
タイプC 110円 90円
タイプD 160円 40円

(1) パンとコーヒーそれぞれについて単品価格のみを提示できる場合。

(2) パン1個とコーヒー1杯のセット価格のみを提示できる場合。

(3) パンとコーヒーそれぞれの単品価格に加えて、パン1備とコーヒー1杯のセッ ト価格を提示できる場合。
なお、顧客はセットを購入した方が、単品を購入する場合に比べ、便益(支払意思額と価格の差)が大きくなる場合は、セットのみを購入し、セットを購入した場合は単品価格でいずれかを追加購入することはないものとする。また、消費者余剰を最大化する選択がセット購入と単品購入で二つある場合、それぞれを確率1/2で選択するものとする。


平成23年度

次のI~Ⅳのすべてに答えなさい。

Ⅰ ある企業が2つの生産要素の投入x_1,x_2によって生産量yが決定する以下の生産関数をもっと仮定する。さらに、生産要素価格をw_1,w_2、生産物価格をpで表すものとし、下記の問いに答えなさい。

y = x_1^(1/3)・x_2^(1/3)
(1) 生産量yを最小費用で実現する(条件付の)要素需要関数(変数としてyを含む関数)と費用関数を導出しなさい。

(2) この生産関数をもつ企業の供給関数を利潤最大化条件から導出しなさい。

(3) 供給関数から3つの価格(w_1,w_2,p) のみを変数にもつ(変数としてyを含まない)利潤関数を求めなさい。

(4) ホテリングの補題(Hotelling's Lemma) を使って、変数として生産量yを合まない要素需要関数を導出しなさい。


Ⅱ 次のゲーム①~③の利得表で記述される戦略形ゲームについて、下記の問いに答えなさい。
ゲーム①

A\B すし フレンチ
すし 3  1 0  0
フレンチ 0  0 1  3

(1) ゲーム①の混合戦略均衡を含むすべてのナッシュ均衡を求めなさい。

(2) ゲーム①の混合戦略均衡は、このゲームによく似た不完備情報ゲーム(ゲーム②)のベイジアン・ナッシュ均衡として解釈することができる。次のゲーム②でプレーヤーA (B) は、t_a (t_b) の値を知っているが、プレーヤーB (A) はその値を正確には知らず、[0,x ]区間に均一分布していると考えていると仮定し、ゲーム①の混合戦略均簡がゲーム②において各タイプが純粋戦略均衡をとる状況として解釈できることを説明しなさい。ただし、説明の過程でxの値について極限をとる必要があることに注意すること。
ゲーム②

A\B すし フレンチ
すし 3+t_a  1 0  0
フレンチ 0  0 1  3+t_b

(3) 混合戦略均衡を進化安定戦略として解釈するアプローチもある。次に示すゲーム③を用いて、そのような解釈を可能にする前提を明示しつつ、ゲーム③の混合戦略均衡を進化安定戦略として特徴づけなさい。
ゲーム③

A\B タカ ハト
タカ 0  0 4  1
ハト 1  4 2  2


Ⅲ マクロ経済学の伝統的モデルであるIS-LMモデル
Y = C(Y) + I(i) M = L_1(Y) + L_2(i) について考える。ただし、Y、i、Mはそれぞれ国民所得、利子率、マネーサプライ、そして、C(Y)、I( i)、 L_1( y) + L_2(i) はそれぞれ消費関数、投資関数、流動性選好関数である。

(1) IS-LMモデルの考案者は誰か、そしてその考案者の1939年の代表作の題名を答えなさい。さらに、経済モデルにおける価格の役割についてその考案者の考え方は生涯を通じてどのように変わったか、簡潔に述べなさい。

(2) 上のIS-LMモデルの均衡点を(Y*,i*)とする。このとき、マネーサプライMの増加が均衡国民所得及び均衡利子率に及ぼす影響を分析するため、導関数の値
を計算しなさい。

(3)財市場の均衡を表すIS方程式は投資Iと貯蓄Sの一致を意味している。なぜ投資と貯蓄の一致が財市場の均衡を表すことになるのか、数式を用いてその理由を説明しなさい。

(4) マネーサプライMがマネタリーベースHの供給から生み出されているとする。これらの関係は、現金預金比率旬、法定準備率印とすると、M = {(1+α) / (α+β)} Hと書ける。この関係式を、現金通貨の合計と預金の合計をマネタリーベースHが供給されてからの波及過程を表す無限等比級数の和の形で求め、それらを足し合わせることによって、導出しなさい。

(5) 資産市場に参加する経済主体がA、B、Cだけであるとする。3者の貨幣の初期保有量はそれぞれ100万円、200万円、300万円、そして債券の初期保有量はそれぞれ1万単位、2万単位、6万単位である。もしAとBが資産として債券のみを需要し、Cは貨幣のみを需要するならば、1単位当たりの均衡債券価格はいくらになるか、理由も付して答えなさい。


Ⅳ 集計的生産関数の代替の弾力性について考える。集計的生産関数は一般に
Y = F(N,K)
と書ける。ただし、Y、N、Kはそれぞれ産出量、労働、資本ストックである。生産関数Fは以下の性質をもつ。
代替の弾力性を導出するためには、以下の企業の費用最小化問題を解く必要がある。
min w_1 N + w_2 K
s.t. Y = F (K,N),Y = const.
ただし、w_1とw_2はそれぞれ労働と資本の要素価格である。

(1) この費用最小化問題に関するラグランジュ関数Lを構成しなさい。ただし、ラグランジュ乗数としては、λを用いること。

(2) そのラグランジュ関数Lを用いて、費用最小化のための一階の条件を求めなさい。ただし、答えは、ラグランジュ乗数を消去した形で書くこと。

(3) その一階の条件から得られる労働と資本の最適解は、N = N(w),K= K(w) と書ける。ただし、w = w_1/w_2である。すなわち最適解は要素価格比wの関数である。
さて、代替の弾力性σを、と定義する。このとき、次の(*)式が成り立つことを証明しなさい。
  (*)

(4) (*)式は経済学的に何を意味しているか、簡潔に述べなさい。

(5) (2) で求めた一階の条件を用いると、代替の弾力性σは

と書ける。コブ=ダグラス生産関数Y=N^(1-a) K^α,0<α<1の場合、代替の弾力性の値は以下の①~⑦のうちのどれになるか、番号で1つ選ぴなさい。
① α ② 1 ③ 1-α ④ 0 ⑤ α/(1-α) ⑥(1-α)/α ⑦ α(1-α)


平成22年度

次のI~Ⅳのすべてに答えなさい。

I 以下の20の語句(順不同)をすべて用いてマクロ経済学の歴史を古い順から概説しなさい。文中で初出のときにはに必ず□で囲んで用いること。

語句: ケインズ、ルーカス、キドランド=プレスコット、サミュエルソン、フリードマン、フィリップス曲線、新古典派総合、景気循環理論、古典派理論、合理的期待形成仮説、技術ショック、自然失業率仮説、「一般理論」、RBC、DSGE、ニューケインジアン、ケインズ革命、期待インフレ率、価格の硬直性、非自発的失業


Ⅱ 中央銀行は、金融政策の手段として利子率を用いるか、あるいはマネーサプライを用いるかという判断を迫られる。IS-LMモデルに基づいたPoole (1970) の議論を参考にして、どのような場合にどちらの政策手段が適切かを考える。以下では、Yは国民所得、rは利子率、Y_fは完全雇用国民所得、Mはマネーサプライを表す。
(1) 図Aは、不安定な財市場と安定な貨幣市場を表している。すなわち、IS曲線はIS_1とIS_2の聞を確率的に変動するが、マネーサプライをM_0に固定するとLM曲線はLM_0の位置で動かない。他方、図Bは、安定な財市場と不安定な貨幣市場を表している。すなわち、IS曲線はIS_0の位置で、動かないが、マネーサプライをM_0に固定するとLM曲線はLM_1とLM_2の聞を確率的に変動する。さて、各々の図では、利子率、マネーサプライ、どちらの政策手段を用いるのが適当か。図中の記号を用いて理由を付し、答えなさい。


(2) 以下は、確率的なIS-LMモデルの一例である。
Y = a_0 – a_1 r + u
M = b_0 + b_1 Y – a_1 r + v
ここで、a_0、a_1、b_0、b_1は正のパラメーター、uとvは各々財市場と貨幣市場の確率項であり、E[u]=E[v] =E[uv] = 0、E[u^2]=E[v^2] =σ^2と仮定する。σ^2は正の定数である。この経済において、中央銀行は、損失関数E[(Y – Y_f)^2が最小になるように金融政策を実施する。
① 利子率を政策手段とした場合、利子率の最適な値r_0を求めなさい。
② マネーサプライを政策手段とした場合、マネーサプライの最適な値M_0を 求めなさい。
③ この経済における中央銀行の最適な政策手段は何か、答えなさい。

Ⅲ 需要関数がq = l - pで表される市場を考える。ただし、qとpは、それぞれその市場で取引される財の数量と価格である。この市場には生産主体として企業1と企業2だけが存在する。単純化のため、いずれの企業も生産に要する費用は常にゼロであると仮定する。

(1) 以下を計算しなさい。 ① 企業1が追随者、企業2が先導者として行動するときの均衡における前者 の利潤π_1^Sと後者の利潤π_2^S
② 2つの企業がともに追随者として行動するときの均衡における企業1の利 潤π_1^Cと企業2の利潤π_2^C
③ 2つの企業がともに先導者として行動した場合の企業1の利潤π_1^Dと企業2の利潤π_2^D

(2) 各企業には、「追随者として行動する」と「先導者として行動する」という2つの戦略がある。企業の利潤を利得とみなすと、この市場にはナッシュ均衡が成立するか。成立するならば、それは2つの企業がどのような戦略をとる場合か、答えなさい。


Ⅳ 以下の最大化問題で表されるt期とt+1期を生きる個人の異時点問の選択を考える。

ここで、u(・)は効用関数、c_tとc_t+1は各々t期とt+1期の消費量、rは実質利子率、wは実質賃金である。

(1)ρと1/(a+ρ)は各々何というか、答えなさい。

(2) 横軸にc_t、縦軸にc_t+1をとり、消費の最適解c_t*とc_t+1*を図示しなさい。ただし、c_t* > c_t+1* 、c_t* = c_t+1* 、c_t* < c_t+1* の3つの場合に分けて3つの図を描き、各々の図に最適解に対応する無差別曲線と予算線を一組ずつ書き込むこと。
なお、3つの図でρは同じ値をとるものとする。

(3) 消費の最適解c_t*とc_t+1*の大小関係はρとrの大小関係で決まる。これらの間にはどのような関係があるか。簡潔に述べなさい。

(4)ρ = 1/(a+ρ) とおき、上の最大化問題から導出されるスルツキ一方程式として以下が成立する。

貯蓄をs_tと表し、上式を利用して偏導関数(∂s_t)/∂rを求めなさい。さらに、その結果から貯蓄が利子率の値にかかわらず常に一定であるために効用関数が満たさなければならない条件を導きなさい。

(5) (4)で導いた条件を満たす効用関数の具体例を1つあげなさい。


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past-exam1a/economics.txt · 最終更新: 2015/07/07 22:15 by seiya