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past-exam1a:public-finance

財政学(Ⅰ類A)


平成28年度

地方財政に関する次のⅠ〜Ⅲの全ての問いに答えなさい。

Ⅰ 地方財政の望ましい仕組みを考える上で、人々は各自治体の政策も見ながら居住地を選択しているという事実を認識することは重要である。このように、人々が「足による投票」によって自治体を選ぶという構造には、社会全体の効率性や公平性を高める効果と低める効果があることが知られている。
(1)人々の「足による投票」を通じて、効率性や公平性が向上する可能性について、わかりやすく丁寧に説明しなさい。
(2)人々の「足による投票」を通じて、効率性や公平性が低下してしまう可能性について、わかりやすく丁寧に説明しなさい。

Ⅱ 一般に、中央政府と地方政府の間には財源移転が行われる構造が存在している。様々な財源移転ルールが考えられるが、代表的な方式として、地方自治体の特定支出の一定割合を補助する「定率補助方式」と、自治体の財政状況に応じて財源を定額で与える「定額補助方式」がある。我が国では「国庫支出金」が前者の方式、「地方交付税交付金」が後者の方式となっている。
(1)それぞれの方式が、地方政府の活動に与える影響について、2つの方式の違いに注意しながら、理論的に説明しなさい。そして、それぞれの方式は、どのように使い分けられることが望ましいかについて説明しなさい。
(2)我が国の国庫支出金と地方交付税交付金の制度について 、それぞれの概要を説明しなさい。そして、(1)での考察も踏まえて、我が国における財源移転制度の望ましいあり方について、あなたの考えを説明しなさい。

Ⅲ 中央政府と地方政府の活動を歳入面と歳出面に分けて、中央政府と地方政府の役割分担の望ましいあり方について、Ⅰ及びⅡでの考察も踏まえて、次の(1)〜(3)に答えなさい。
(1)中央政府と地方政府の歳出面での望ましい役割分担のあり方について、説明しなさい。
(2)中央政府と地方政府の歳入面での望ましい役割分担のあり方について、役割分担の結果として必要となる財源移転の望ましいあり方も含めて、せつめいしなさい。
(3)我が国の地方政府は、大きく「都道府県」と「区市町村」に分けて考えることができる。「都道府県」と「区市町村」の歳入面と歳出面での望ましい役割分担について、あなたの考えを根拠を示しながら説明しなさい。

平成27年度

次のⅠ、Ⅱの全ての問に答えなさい。

Ⅰ 余暇と消費財の2財から効用を得る個人の消費選択のモデルを用いて、最低所得保障の効果について、「貧困の罠」の観点から論じ、かつ、負の所得税の効果と比較しなさい。

Ⅱ 現在、我が国における被雇用者には、給与のおおよそ一定割合として社会保険料が課されている。この社会保険料は、雇用者(企業)と被雇用者(個人)で折半されているが、この「折半」は実質的な企業と個人の負担として理解して良いのであろうか。社会的保険料を比例的な所得税とみなし、この点について論じなさい。

平成26年度

社会保障制度に関する次のⅠ~Ⅲのすべての問いに答えなさい。

Ⅰ 社会保障の重要な仕組みの一つである公的年金は、私達が直面するリスクに備えるための社会保障の一つと考えられる。
(1)年金保険とは、どのようなリスクへの備えと考えられるか。退職後の生活のための貯蓄との違いに言及しながら、説明しなさい。
(2)年金制度の多くの国で強制加入の公的年金として提供されている理由について、「市場の失敗」の問題と関連付けながら説明しなさい。なお、「市場の失敗」の問題はいくつかある。少なくとも2つの特に重要と考えられる問題と関連づけながら、公的年金の必要性を説得的に説明すること。

Ⅱ 社会保障の重要な仕組みの一つである生活保護制度では、近年、非保護世帯及び歳出規模の顕著な拡大が見られる。
(図省略:国立社会保障・人口問題研究所「世帯類型別保護世帯数及び世帯保護率の年次推移」より、1995~2011年の「高齢者世帯」「母子世帯」「疾病者・障害者世帯」「その他の世帯」「高齢者世帯の世帯保護率」の推移について記載)
(1)上図に見られるように、近年の非保護世帯数の拡大の最大の理由は、生活保護を受ける高齢者世帯の増加である。また、高齢者世帯の世帯保護率も増加している。生活保護を受ける高齢者の割合が増加している原因を述べ、どのような対応を行うことが望ましいかについて論じなさい。
(2)現在、生活保護受給者の中には就労可能な人々もいるが、現行の生活保護制度は、就労意欲を失わせる構造を持っているといわれている。その構造を、図を用いてわかりやすく説明した上で、就労意欲を高めるような制度改革のあり方について論じなさい。

Ⅲ 人々に生活保障を提供する主体として、「国」、「都道府県」及び「市区町村」の3つのレベルの政府を想定し、その望ましい役割分担のあり方について考えてみることは重要である。以下の(1)~(4)の社会保障制度のそれぞれについて、現在の役割分担あり方について説明した上で、現在起こっている問題を取り上げ、今後の望ましい役割分担のあり方について論じなさい。


平成25年度

問1 財政の機能(役割)は大きく、①資源配分機能(公共財・サービスの提供等)、②所得再分配機能(所得格差の是正)、③経済安定化機能(金融政策等、経済変動の安定化)、から成る。このことを踏まえ、地方分権改革を国と地方の間での財政の機能配分の見直しと位置付けた場合、経済学の視点から、望ましい機能配分のあり方はどのようなものであるか理由を付して説明せよ。

問2 地方税としては原則、個人に定額の税を課す均等割り(市町村3千円、都道府県1戦円)がある。この均等割りは東日本大震災後の復興税の一環として1千円増税されている。
 以上のことを踏まえて、以下の答申における主張の妥当性を説明せよ。ただし、次の用語を使用すること(用語の順番は問わない)。
 「応益原則」 「応能原則」
(図省略:政府税制調査会「平成19年度の税制改正に関する答申」による)

問3 固定資産税は市町村の主要な税源である。平成22年度決算で見ると固定資産税の税収総額は約8兆9千億円となり、市町村税収の44%余りを占める。現行の固定思案税は標準税率1.4%、土地のほか家屋や償却資産(企業の生産設備等)を課税対象とする。以下の(1)、(2)に答えよ。

(1)経済学的に固定資産税は地方の基幹税として「望ましい」(効率・公平に適う)とされる。その理由について説明せよ。
(2)現行の固定資産税は、経済学的に望ましいとされる固定資産税と同じではない。現行の固定資産税の税負担の帰着とその課題(非効率や不公平)について説明せよ。


平成24年度

消費税に関する以下の問いにすべて答えなさい。

問1 消費税と比例労働所得税は本質的に同じであるという命題について、簡単な2期間モデルを用いて説明しなさい。そして、その命題を出発点として、消費税と所得税との違いについて、効率性及び公平性の観点から説明しなさい。

問2 同じ税収を得るためには、異なる財・サービスに異なる税率で課税する物品税(個別消費税)よりも、すべての財・サービスの消費に同率で課税する消費税(一般消費税)のほうが効率的であるという主張がある。その主張の妥当性について、①2つの財のみがあるモデル、②2つの材に加えて余暇を考慮するモデル、の2つの単純化されたモデルにおいて、それぞれ説明しなさい。

問3 次の(1)、(2)に答えなさい。
(1)日本の消費税は1989年に導入された。消費税導入までの経緯と導入から現在に至るまでの日本の消費税制度の変遷について、1997年に導入された地方消費税にも言及しながら、大きな流れと制度変更のポイントについて説明しなさい。
(2)日本の消費税に期待される役割と課題について、消費税導入の経緯と現在に至る制度の変遷とも関連づけながら、あなたの考えを述べなさい。


平成23年度

 地球温暖化の解決に向けて本格的な取組が求められている。2009年9月の国連気候変動首脳会合において我が国は、公平かつ実効性のある国際的枠組みの構築などを条件として、1990年比で2020年までに温室効果ガスを25%削減することを表明した。他方、規制・課税などの地球温暖化対策は、我が国の企業の国債競争力を損ない、経済成長に悪影響を及ぼすとの懸念もある。

 これらを踏まえて、以下のすべての問いに答えよ。

問1 地球温暖化等、環境問題は「市場の失敗」の一例としてあげられる。市場経済において、環境問題が自律的に解決できない理由と、効率性の観点から、環境問題における経済的帰結について説明せよ。

問2 我が国においても税制による地球温暖化対策を強化するとともに、エネルギー起源CO2排出抑制のための諸施策を実施していく観点から、地球温暖化対策のための税の導入について議論されている。具体的には全化石燃料をベースとする現行の石油石炭税にCO2排出量に応じた税率を上乗せするというものである。
(1)経済学において(提唱者の名前にちなんで)「ピグー税」としても知られる環境税がどのように問1の「市場の失敗」を是正するかについて説明せよ。
(2)環境税は企業等にとって税負担が重くなり、経済成長を損ないかねないとの批判がある。税収の使途を含めて、環境税がどのように「経済成長との両立」を図ることができるかについて説明せよ。


平成22年度

次の(1)~(3)のすべてに答えなさい。

(1)平成20年度第2次補正予算において、政府は国民一人あたり1万2千円(18歳以下及び65歳以上は2万円)を支給する定額給付金を実施した。しかし、内閣府の「定額給付金に関連した消費税等に関する調査」(平成22年1月)によると、給付金の支給による消費の増加効果は6,284億円で、給付総額の32.8%に留まった。経済学的検知から、給付額どおり家計の消費が伸びなかった理由について説明しなさい。

(2)経済のグローバル化に適切に対応するとともに、わが国経済の国際競争力を強化し活性化を図ることは、税制においても課題となっているが、ヒト・モノ・カネが自由に移動する経済のグローバル化が法人税や地方法人二税(法人住民税・法人事業税)に及ぼす課題上の制約と経済学的な帰結について論じなさい。

(3)地方分権改革推進委員会第4次韓国(平成21年11月)は、地方自治体の「課税自主権の拡充は、地方財政の充実に加え、地域の多様化に合わせた自治体経営の自律的展開の観点からも重要な課題」と位置づけている。そこで、地方自治体が主体性と自己責任をもって課税自主権(税率の自由な選択)を行使する上で望ましい地方税の条件とは何か述べなさい。また、その条件を充足しうる地方税(都道府県税でも市町村税でも構わない。)を具体的に一つ取り上げて、その特徴と理由を論じなさい。


平成21年度

 現在、日本では、少子化そして人口減少が進行しており、政策的対応のあり方に関する議論が行われている。特に、近年は、政府と民間の役割そして国と地方の役割を見直すことが求められており、子育ての支援に関しても、その望ましいあり方について問い直してみることが重要である。以下の問いにすべて答えなさい。

(1)出産・育児は、個人的な生活と深く関わることであり、政府が介入することは望ましくないという考えも根強い。政府が積極的に子育て支援を行うのであれば、その根拠を明確にしておくことが重要である。政府が介入する根拠として「市場の失敗」の存在を考えることが有用であるが、「市場の失敗」の観点から政府の失敗による積極的に行うことを正当化する根拠について詳しく検討し、子育て支援のあり方に関する政府の役割について、民間の役割にも言及しながら論じなさい。
(2)子育て支援として、育児と仕事の両立を可能にする保育サービスの充実は不可欠であると考えられるが、現在、認可保育所の入所については数多くの待機児童がいることが指摘されている。待機自動の存在について、認可保育所の保育サービスへの需要曲線と供給曲線を用いてわかりやすく説明ししなさい。また、待機児童を解消することを目的として、保育サービスへの需要曲線を推計するとしたら、あなたはどのようなアンケート調査を提案するか、その推計結果を待機児童の解消のためにどのように活かすべきかについても、あわせて説明しなさい。
(3)子育て支援策としては様々なものがある。まず、①保育サービスの充実、②児童手当、③扶養控除という代表的な子育て支援策について、それぞれの支援策における国と地方の役割分担に関する現在の仕組みを、そのような役割分担を正当化する根拠とともに明らかにしなさい。そして、今後の子育て支援の望ましいあり方について、国と地方の役割分担のあり方にも言及しながら、あなたの考えをまとめなさい。


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past-exam1a/public-finance.txt · 最終更新: 2018/01/31 22:03 by seiya